木造在来軸組工法による壁倍率7倍を超た高耐力壁使用の構造計画


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壁倍率7倍を超え15倍までの高耐力壁使用について
 
現在、在来軸組工法による中大規模木造建築物において、壁倍率が最大15倍までの耐力壁を使用した構造設計の講習会が行われ、今後、使用する件数が増えて来るかと思います。


「使用によるメリット」
・X・Y方向の方向性の違いにより、耐力壁配置の確保が難しい共同住宅などの設計が容易となる事が考えられます。
・特に、平屋建て・2階建てなどの低層建物において、広い空間の確保、広い開口部の確保が容易になる事も考えられます。
・ダブル耐力壁配置で計画されていた建物において、ダブル耐力壁を無くすことも可能となる事が考えられます。
・間口が狭い狭小建物の耐力壁確保において有効な方法と思われます。
・降雪の多い多雪地域においても耐力壁の配置を減らす事が可能です。
 
「使用によるデメリット」
・構造計算時に軸バネを考慮する事になるため汎用ソフトによる解析 または、立体ソフトによる解析などを行う事により、今の実施設計期間よりも時間が掛かる様になります。
・高耐力壁の詳細設計が必要となります。
・耐力壁の引き抜き力が大きくなるために柱頭・柱脚の金物において高耐力の引き抜き金物が必要になります。
・下階に柱が無い梁上へ高耐力壁を配置する事が難しい。
 
現時点において、7倍を超え15倍までの耐力壁使用による構造計算は、確認申請を提出する確認審査機関との事前の打ち合わせ確認が必要となります。


  • 木造在来軸組工法による7倍を超える高耐力壁使用のご案内

  • ・・・ 7倍を超え15倍までの高耐力使用による許容応力度計算 ・・・
    < はじめに >
     在来軸組工法の構造計算において、一般的に壁倍率7倍以下で計算が行われています。2017年度版「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」、令和4年度講習用テキスト本「木造軸組工法、中大規模木造建築物の構造設計の手引き(許容応力度設計編)」内で壁倍率7倍を超え15倍までの高耐力壁の使用が紹介されています。
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  • 1  業務内容
  • ※ 構造設計の業務内容  (高耐力壁使用による構造計算)
     ・専用住宅、共同住宅、低層の店舗、事務所、倉庫等を対象とする。
  •  ・高耐力壁を用いた在来軸組工法及び木造軸組金物工法
  •  ・構造計算、構造図面の作成まで(構造計算のみのご依頼はお受けできかねます。)
  • ※構造計算
  •  ・現時点では構造設計ルート1の範囲内とする。
     ・計画段階からの打ち合わせが必要です。
  •  ・実施設計期間につきましては、計算が複雑になりますので十分な余裕を確保してください。
  •  ・確認申請機関との事前の問い合わせ及び打ち合わせが必要です。
  •   事前の問い合わせにより高耐力壁の使用が認められない確認審査機関もございます。
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  • 2 その他
    ・複雑な建物や特殊な形状の建物の設計依頼の場合ついては直接お会いしての打ち合わせをお願い致します。